T. S. エリオット詩句・賛 / 村田辰夫

286pp

日本国際詩人協会 2016 (9784908202179)  pap \3,000

 

 

京都の季刊詩誌「らびーん」に連載されて好評だったエッセイが単行本にまとめられた。当然のこととはいえ、昨今の出版事情から考えると慶賀の至りである。著者は周知のとおり、エリオット協会の元会長、日本の内外でエリオット論考を発表なさっている。

冒頭、「僕は僕の人生をコーヒーのスプーンで計ってしまった」“I have measured out my life with coffee spoons” という有名な一行から、この長い連載は始まり、最後は最後らしく、エリオットの代表的詩12篇の最終行をとりあげて終わっている。だから、たとえエリオットを読んだことのない人でも、この一冊を読めば、エリオットを読んだような気になる。

 賛がまた、いかにも京都人らしいウイットにあふれていて、

この本に導かれてエリオットを読みかけた人が、例えば『荒地』

を読みかけて、最後まで、最初の感想を持ち続けられるかどうかは、ちょっと保証できない。

 

 本書のどの頁を開いてもエリオットと出くわすので、英詩になじみのない人でも、エリオットという高峰を峰伝いに名ガイドと歩くことができる。