May-June, 2016  No.189

 

 

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 ガーネットの家系には語学の才能が伝わっていて、デイヴィッドの曽祖父、祖父はともにほとんど独学で7-8ヶ国語を習得、ともにその才能を生かして大英図書館の再生、充実に貢献したことが知られています。父エドワードのパプリッシャーズ・リーダーとしての活躍、母コンスタンスのツルゲーネフに始まるロシア文学の翻訳なども、そうした家系の土壌があったからでしょう。

 

 同じ島国のイギリスと日本は、歴史上、同じように大陸からの侵攻をうけています。13世紀後半、日本は2度にわたる蒙古の襲来を迎え、2度とも台風の助けもあって船団を打ち砕きましたが、3世紀後、エリザベス朝イギリスはカトリック弾圧の余波を、スペイン無敵艦隊の来襲という形でこうむり、奇しくも、荒天に救われ、やはり2度とも打ち破っています。有名な海賊を廷臣に登用した海洋国家イギリスの勝利が、その後、世界の覇権を手にしたわけですが、よく荒れることで知られる玄界灘やビスケー湾といった共通の地政学的土壌があったのかもしれません。

 

 海賊と文化開明がどういう土壌でどうつながったのか、あるいは共存しえたのか、翻訳が出版されたデフォーの『名高き海賊船長シングルトンの冒険一代記』(書架欄参照)や、櫻井正一郎さんのウォルター・ローリー研究などを拝見しながら考えさせられます。

 

 

 

 

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 ウォルター・スコットの歴史小説 / 木村正俊

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